葬儀社とのトラブル
一昔前までは葬儀社とのトラブルはダントツに多くて、マスコミに多く取り上げられたりしましたが、後から高額な請求書が来て驚いたというようなトラブルでした。
何故葬儀社とのトラブルが多いのか
人の死というものは突然来るものですし、病気で入院している人のほとんどはまさか死ぬなんて思ってもいないので、たとえば身内の人が入院することになった場合に、病院での入院生活に関する準備はしますが、葬儀に関する準備をすることは縁起が悪いことです。
たとえ容体が悪化したとしても何とか生きていて欲しいと思うのが人情で、葬儀のことを考えることなど忌々しいことなのです。
それでも万策尽きてご臨終ともなれば、遺族の悲しみはとても深く、特に看病の期間が長かった人にとっては看病疲れもあって、悲しみのどん底に突き落とされたらもう極限パニック状態になって、通常の思考能力を失ってしまいます。
こういう時に葬儀社を決めたり打ち合わせをすること自体、とても残酷なことなのですが、悲しみの中に有って何も考えることが出来ない、そういう状況であってもしなければいけないのが葬儀なのです。
こういった極限状況では自分で考えることが出来ませんので、何を言われても無意味な返事をするだけで、言われるがままに任せてしまうことが多いのです。
その結果として高額なコースを契約させられたり、様々なオプションを付けられたりして後で冷静になった時に後悔するのです。
トラブルの内容
葬儀社とのトラブルのほとんどがお金に関することですが、担当者の説明不足や強引な押し付けに起因することも多くあります。
高いコースを強引にすすめられた
葬儀社の葬儀のコースとしては人数別、或いは式場や祭壇の豪華さなどでいくつかの標準的なコースがあるものです。
葬儀社にとっては商売なのですから、出来るだけ高いコースを選択してもらいたいがために故人のことを褒めたたえ、「これだけ立派な方でしたらせめてこれ位のコースにしないと、故人様のために参列する方の手前もありますので…」などと上手にすすめてくるものです。
しかし物も言いようで、「これ位立派な方ですと、皆さんこのコースにされますよ」などと言われたらもうこれで決まり、皆さんこうしますということには日本人は弱いのです。
しかしながら高いコースをすすめられたにしろ、選んだのは自分ですから、人のせいにしてはいけません。
頼んでいない物が入っていた
祭壇や引き出物などに頼んでいない物が入っていることがありますが、葬儀社の側は当たり前だと思っていたから説明されなかったという場合や、担当者が説明してくれなかった、担当者は説明したと言うけれど覚えていないなど、葬儀のゴタゴタに紛れて分からずじまいになっていてもお金を払わなければいけません。
悲しみに沈んでいる時はあまり喋りかけて欲しくないものですが、葬儀社の担当者にしてもそういう状況の中で遺族の方と接するのは相当に気を遣うものです。
食事や引き出物など頼んだ数が多くなっている
これも葬儀のゴタゴタに紛れて不明な事が多いのですが、葬儀というものが急に決まる以上は、参加したり出来なかったりが事前に分からなかったり、最後まで連絡がつかなくて分からなかったりするもので、どうしても不足しては困るからと多めに準備するものです。
明らかに頼んだ数が意図的に増やされていたりするのは詐欺行為に当たり、こういうことを「ぼったくり」と言いますが、最近では少なくなりました。
頼んでいないテントが準備された
自宅で葬儀をする時に、葬儀の受付などでテントを張ることがありますが、無料で張ってくれる訳では無くて、結構な値段が取られます。
天気が分からない時や怪しい時などには、万一の時に備えて、来られる方をおもてなしするのに不自由があってはならないからと、予め説明があった上でテントを設置するのが通例です。
しかしテントが有料であることを説明しなかったり、告げないことは良くないことです。
頼んだ物が来なかったのに請求されている
食事や引き出物などで、頼んだ物が来なかったのに請求されていることがありますので、注意が必要です。
頼んだ物が来ていないことに誰も気が付かないこともありますし、気が付いたにしても葬儀のゴタゴタで忘れてしまうのです。
頼んだ物と違うものが来ていた
食事や引き出物などで、頼んだ物と違うものが来ていたり、祭壇が違う、花が違う、棺桶が違う、骨壺が違うなどのことが実際に起こります。
予め準備したのではなくて、急に準備したのですから、どうしても無い物があったりして、ある程度は仕方のないことですが、料金が安くなっているはずなのに高く請求されているなどのことがあります。
説明した値段と違う
担当者の人がその時に説明した値段より高くなっていることがありますが、これもまた言った言わないの水掛け論になることが多く、葬儀の買い物が如何に普通の買い物と違うかがハッキリと分かる部分です。
一度葬儀社を決めてしまったら、担当者が持って来た物の中から選ばないといけないのです。
値段に関しては何かに書いてもらうなどしないと後でトラブルになるかもしれません。