自然に還らない遺骨

我が国における埋葬とはお墓に納骨することですが、土葬の時代の埋葬は生身の体を本当に土の中に埋めて、自然の力を利用して土に還ることでした。

土葬の頃の埋葬は埋葬されてから50年~100年ほど経てばほとんど土に還るので、ある意味今で言うところの自然葬であり。国家公認の理想の自然葬の姿なのです。

現在は衛生上の理由や土地の確保が難しいなどの理由で土葬はほとんど残っていませんが、亡き人の遺体は火葬されて骨壺に納められ、そのままお墓の納骨室に納められますので、遺骨は骨壺に入ったままで、尚且つコンクリートの部屋の中に置かれた状態では決して土に還ることはありません。

おそらく永遠に使い年月の間、そのまま残り続ける訳で、現代の日本人は自然に還ることができなくなってしまっているのです。